株主資本等変動計算書とは何か【はじめてのビジネス数字】

株主資本等変動計算書とは何か

利益の使い道と会社の蓄えを知る

株主資本等変動計算書は、会社の「純資産」が1年間でどのように増減したのかをまとめた表です。
利益をどう活用したのか、将来に向けてどれだけ蓄えたのかを読み取ることができます。


1. 株主資本とは何か

株主資本は、会社の純資産のうち、株主から出資されたお金や、これまでに蓄積された利益で構成されます。主な内訳は次の3つです。

  • 資本金:株主が会社に払い込んだお金
  • 資本剰余金:株主からの出資のうち、資本金に含めなかった部分など
  • 利益剰余金:これまでの事業活動で得た利益の蓄積(内部留保)

2. この計算書でわかること

株主資本等変動計算書は、期首から期末までの1年間で、資本金・資本剰余金・利益剰余金がどのように変わったかを示します。
例えば、以下のような動きを把握できます。

  • 株主への配当金として支払った金額
  • 当期の利益によって増えた利益剰余金
  • 増資や自己株式取得による資本の増減

3. 実務での活用ポイント

  • 投資家・株主:会社が利益を配当に回しているのか、それとも将来のために内部留保しているのかを判断
  • 経営者:資本構成の健全性を確認し、今後の資金戦略を検討
  • 取引先や金融機関:配当方針や内部留保の傾向から経営姿勢を評価

4. 他の決算書との関係

株主資本等変動計算書は、損益計算書や貸借対照表とセットで見ることで理解が深まります。

  • 損益計算書の最終利益は、この計算書の「利益剰余金の増加」として反映
  • 貸借対照表の「純資産の部」の変化の詳細が、この計算書で確認できる

詳しい事例や図解は、無料で読める入門教材に掲載しています。
利益の使い道を知ることは、会社の方針や将来性を読み解く重要なヒントになります。